PCRE_CASELESS, PCRE_MULTILINE, PCRE_DOTALL PCRE_UNGREEDY, PCRE_EXTRA, PCRE_EXTENDED および PCRE_DUPNAMES オプションの設定は、パターン中で変更できます。これには、Perl オプション文字を "(?" と ")" とで括った並びを用います。 オプション文字には以下のものがあります。
| i | PCRE_CASELESS | 
| m | PCRE_MULTILINE | 
| s | PCRE_DOTALL | 
| x | PCRE_EXTENDED | 
| U | PCRE_UNGREEDY | 
| X | PCRE_EXTRA | 
| J | PCRE_INFO_JCHANGED | 
例えば、(?im) は、大小文字を区別しない、複数行モードのマッチングを 設定します。ハイフンを前につけることにより、そのオプションを 解除することも可能です。 (?im-sx) のように設定と解除とを 組み合わせることも可能です。この場合、PCRE_CASELESS と PCRE_MULTILINE とが設定され、PCRE_DOTALL と PCRE_EXTENDED とが解除されます。 オプション文字がハイフンの前にも後にも指定された場合、 そのオプションは解除されます。
オプションの変更がトップレベル(つまりサブパターンのカッコの外)で行われた場合、 その変更はパターンの後ろの部分に適用されます。 パターン /ab(?i)c/ は "abc" および "abC" にマッチします。
サブパターンの内部でオプションの変更を行った場合は、 その効果は違ったものになります。この動作変更は、Perl 5.005 で行われました。サブパターン中のオプション変更は、そのサブパターンの 設定が行われた場所以降の部分にのみ影響します。そのため、パターン
      (a(?i)b)c
     
      は、abc および aBc にマッチし、他の文字列にはマッチしません
      (PCRE_CASELESS 
      が設定されていないと仮定)。このように、パターンの各場所に
      異なった設定を行うようなオプション指定が可能です。
      ある選択肢に行われた設定変更は、同じサブパターン中の後に続く選択肢に
      波及します。例えば、パターン
      
      (a(?i)b|c)
      
      は、"ab", "aB", "c", "C" にマッチします。"C" にマッチする場合を
      見てみると、オプション設定が行われている最初の選択肢は
      マッチせずに捨てられてしまっています。それでも、オプションの設定は
      行われ "C" にマッチします。これは、オプション設定の効果が
      コンパイル時に生じることによります。さもないと、
      非常に奇妙な動作をするかもしれません。
     
     PCRE 特有のオプション PCRE_UNGREEDY および PCRE_EXTRA は、 それぞれ文字 U および X を用いて、Perl 互換のオプションと同様に 変更することが可能です。 (?X) フラグの設定は特別で、最上位においても、 パターン中で他の設定を有効にする前に指定する必要があります。 このフラグは、最初に指定するのが最善です。